- 2016年4月17日(日) 10:00〜12:00
- 福岡海星女子学院附属小学校 副校長 野口美智子 氏
4月17日（日）、福岡海星女子学院附属小学校より野口副校長、米倉教務主任をお招きして「子どもの成長のための学校教育と人間教育」と題して、教育講演会を開催しました。
冒頭、野口副校長より熊本での震災の話を交えつつ、近日の注目すべきニューストピックとして「日本の労働人口がロボットに取って代わられる」件を上げ、こういった変化が子どもの未来にどのような影響を及ぼすのかをお話いただきました。子ども達がいざ社会で働こうとする際に求められる資質はなんなのか、これを念頭に置いた教育が求められているのではないでしょうか。
また、各家庭の教育については現在半分以上の家庭で新聞が取られていない状況が事実として顕著に現れています。
続いて話題にあがったのが「子どもの文化」についてです。当然のようにほとんどの子ども達が楽しんでいるゲーム、ＳＮＳ。これらのネットの世界、バーチャルワールドは不登校などの原因になることもありますが、大人が子ども達の文化を認めた上で上手に教育を行えば不登校などの事態は避けられるのではないでしょうか。
次に海星女子学院附属小学校での、段階を経て様々な経験を培っていく「体験学習を通じての価値観教育の重要性」について、具体例を交えながら、お話しいただきました。
平成２４年度から３ヶ年計画で実行されている英語教育とアクティブラーニング。もうすでに最初３年のサイクルは完了している英語教育では、グローバルな視点を養うため小1から週2時間の英語学習が行われています。アクティブラーニングでは、プログラム学習と聴き合い活動に取り組まれており、聖書を読み感じたことを文章にしたりプレゼンテーションを行ったりすることで、確かな自主性が養われているのも長年地域から支持される要因の一つのようです。学力についても文科省による学力テストでどこまで子ども達が理解をしているのかをしっかり把握し、年間２回行われる適応テストの結果に対してもスクールカウンセラーが入り込み、クラス作りを行ったりしています。
良い学習環境は良い人間関係からということでしょう。
野口副校長は「社会を生き抜いていくためには、小さなうちから価値判断をしっかりと持つことが大事である」とし、カトリックの学校として絶対的な基準がもてるのも宗教の強さのひとつと語ってくださいました。
小学校卒業までに必要な資質や能力を各自が見定めることで、将来に向かってチャレンジしていく力を身につけさせる同校の教育は、人間力の問われる昨今、ますます目が離せそうにありません。
